金足農業高校「絆のカブトムシプロジェクト」2017-2019
このプロジェクトのお話は2017〜2019年まで3年に渡り実施した金足農業高校 造園緑地科の生徒と先生、東日本大震災の被災地の子どもたちとの物語です。 金足農高校学校敷地内の清掃で出た枝や葉っぱなどの廃材が集積された場所から大量に出てきたカブトムシの幼虫から、すべてが始り、宮城県・岩手県の子どもたちに届けられる\心の復興/感動プロジェクトへとプロデュースによって実現していきます。
目次
金足農業高校|絆のカブトムシプロジェクト|はじまり
授業や校庭の清掃で出た枝や葉っぱなどの廃材が集積された場所から出てきた「カブトムシの幼虫」から全てが始まりました。
プロデュース・プロで運営している情報サイト「LIFE」の記事を見て、「カブトムシ好きの人ならば何とかなるのでは?」という思いで、先生から相談の電話をいただきました。
そこから、学校に訪問し、お話を伺い、状況の整理を行いました。
【状況整理】
・目的|カブトムシの幼虫を成虫まで育て、被災地の子どもたちへ届け、心の復興を目的に活動したい
・時期|7月頃(成虫になるタイミング|初回学校訪問時は4月中旬)
・人数|造園緑地課の生徒35名、先生5名
・環境|カブトムシの幼虫を成虫まで育てる為の環境が整っていない
・予算|なし
このプロジェクトを成功させるために、プロデュース・プロは考えました。
企画プロデュース[マスメディア連携|スポンサー集め]
実現するためには飼育環境整備、宿泊・交通などの旅費交通費などの「資金」が必須です。
プロデュース・プロは広告代理業務も事業としてやらせてもらっているので、スポンサー集めをどのようにするのを考えました。
【企画展開】
・プランニング|プロデュース・プロが運営しているメディアLIFEは秋田テレビと運営しているので、テレビCMとWEBコンテンツを絡めての企画を軸に展開
・マスメディア連携|金足農業高校の社会貢献活動と取り組みを広く伝えたい
・スポンサー集め|参加・協力するメリットの明確化・テレビCM+金足農業高校の想いに共感し応援いただく社会貢献活動へ
・成功イメージ|予算はスポンサーの集まり次第だが、できれば生徒・先生全員で想いを届け、一生の思い出にしてあげたい
・生徒の被災地見学|ニュースでしか見ていない被災地を訪問し、被災前後の様子を見学、地震時の対応、復興の取り組みも勉強する
・高校間交流|宮城県の高校との交流を植樹によって絆を深める
まったく初めての取り組みだったため、手探りでのスタートでしたが、上記内容を企画書に起こし、テレビ局からの同意を得て、金足農業高校のOBやOG、授業等で係っていただいている企業など1件1件訪問し、営業活動を行いました。
金足農業高校|絆のカブトムシプロジェクト|スポンサー紹介
スポンサーの皆様には
「被災地心の復興支援」×「社会貢献」×「高校生を応援」×「カブトムシ」という新鮮な切り口での企画内容にご賛同いただくことができ、実現する運びとなりました。
同時に、自治体のファンドも利用して、生徒・先生全員で被災地へ行けることになりました。本当にありがとうございました。
授業での整備・飼育・準備
スポンサー集めと同時進行に行われたのが、金足農業高校の先生&生徒のカブトムシの飼育活動です。
カブトムシの生態把握をするため、木質廃材を寄せた場所からカブトムシの幼虫を掘り起こし、全体数を把握。
成虫になったカブトムシを飼育するためのケージをスポンサーと一緒に作製し、
子どもたちにカブトムシを贈呈するときに、どのようにしたら喜んでもらえるか?
みんなで考えた紙芝居と寸劇。
カブトムシの幼虫は蛹へ。蛹から成虫へと成長を遂げました。
そして、いよいよ出発の日。
絆のカブトムシプロジェクト|ディレクション
生徒一行は、秋田を出発し、最初の訪問地へ
※最初の1年目は岩手県の小学校、2-3年目は宮城県農業高等学校への植樹+岩手県の小学校への訪問
被災地の視察と震災について考える
今回のプロジェクトは、カブトムシをプレゼントするだけではなく、被災地での視察を通して、震災について考える、ということも大切なテーマに。
現地のガイドさんに案内していただき、震災当時の様子、震災後の復興の状況などをお教えいただきました。
幼虫から成虫への飼育、被災地見学を経て、いよいよ岩手県の子どもたちへプレゼントする日を迎えました。今回のプロジェクトのTシャツを着た生徒たちが、宿泊したホテル前でみんなで気合を入れます。
訪問した小学校。みんなちょっと緊張気味。
会場内には、何と地元 岩手県のテレビ局や新聞社など数社の方がすでにスタンバイされていました。これにはかなり驚きました。子どもたちも何かワクワクしている感じです。いよいよ子どもたちとご対面です。
この日の為に一生懸命考えて制作した手作り紙芝居をお披露目しました。
今回、なぜカブトムシをみんなにプレゼントすることになったのか?
カブトムシの育て方についても、分かりやすく紙芝居で説明しました。
カブトムシ紙芝居[カブトムシプロジェクト」
カブトムシ紙芝居[カブトムシの育て方」
紙芝居後は、子どもたちとの触れ合いタイム。
予想以上の子どもたちの反応に金足農業高校生も大喜びでした。
金足農業高校 絆のカブトムシプロジェクト大成功でした!
絆のカブトムシプロジェクト|総括[先生・生徒の感想]
戻ってきてから数日後・・・
生徒たちはしっかりと今回の絆のカブトムシプロジェクトの振り返りをしていました。
・被災地を見学して思ったこと
・被災地に同じ東北人としてできること
・今回の経験を通して、今後自分がどう生きるべきか感じたこと
・協賛してくださった方々へのお礼の言葉
用紙いっぱいに書かれたレポートは応援してくれたスポンサーの皆様へも提出し、金足農業高校 絆のカブトムシプロジェクトは成功に終わりました。
学級委員長の金田航平さん(2017年)
「子どもたちが満点の笑顔で喜ぶのを期待してカブトムシを届けにきました。
予想以上の笑顔と反応で自分もビックリしました。
この代(今年)で終わらず、タマゴを産んで、羽化させて、次へ次へとつないでいけるような育て方をしていって欲しいと思います。
自分たちは3年生ですので、卒業ですが、金足農業高校の2年生や1年生もこのようなプロジェクトができるように、そしてこの「絆」をつないでいって欲しいと思います。」
宮腰明 先生
「この絆のカブトムシプロジェクトの経験を今後の進路活動の為に活かして欲しいと思います。
今回のプロジェクトは被災地の子どもたちの為にがんばりました。
同時に自分の為にもがんばってきたと思います。これからの進路活動では、自分のためにがんばらないといけない勝負の年です。
プロジェクトで築くことができた「絆」が必ずこれからの進路活動にプラスになっていくと思いますし、たくさん起こるうる難儀なことを乗り越えていく力がみんなにはあると思います。
がんばっていきましょう!」
今回のプロデュースについては、日頃行なっている商業広告とは違う、「カブトムシ」「高校生」「被災地への心の復興」という全く違うジャンルでの仕事となりました。
プロデュース・プロとしても、子どもたちの願い、先生たちの想いを実現すべく、どのような企画内容、訴求内容でプロデュースしたらいいのか、ご協賛いただくスポンサーへはどのようなメリットを感じてもらえるのか?
係るすべての方へメリットを感じてもらえるプロジェクトにすることができて、本当によかったと思っています。
これからもこのような社会貢献活動もトータルプロデュースしていけたらと思いました。
何よりも、このカブトムシプロジェクトをテレビで見た当時の中学生が、金足農業高校へ入学したと伺ったときは、本当に実施してよかったと思いました。