関係人口会議〜ツッコミつづける秋田県〜2021 撮影・取材
今年もオンラインで開催された関係人口会議。参加される市町村の方々はどんな事をしているのか?どんな人に来て貰いたいのか?全国の秋田県にツッコミたい方に向けた紹介動画のための取材・撮影を行いました。
目次
関係人口会議|5団体への撮影・取材
今年で3年目となる「関係人口会議」は昨年同様、新型コロナウイルス感染症拡大防止の為オンラインで実施されました。本来であれば全国の方々に来県してもらい、実際に見たり聞いたり食べたり体験したり、をしてもらうはずでしたが今年もそれは叶わぬこととなりました。そこで動画で全国の方々に各自治体の取り組みや行動、魅力を伝えよう!ということから今年は5団体の撮影・取材に赴きました。
小坂町|小坂まちづくり株式会社
小坂まちづくり株式会社代表 取締役相談役 高橋竹見様(写真右)
小坂町役場 観光産業課 農林班 課長補佐 杉原隆広様(写真左)
小坂町の関係人口のテーマは「小坂町ワインツーリズムの推進」
・魅力的なワインツーリズムの構築に向けたアイディアを提供して欲しい
・情報発信の経験や知識が乏しいため困っている
ということで今年の関係人口にエントリーしてくださいました。
ワインというと料理はお肉が浮かびやすいのですが、小坂ワインに合う料理はなんと「お寿司」!ワインとお寿司…?とても想像出来ない組み合わせですがマリアージュは最高なんだそう。
もちろんお寿司以外にも合う料理は様々です!
このマリアージュを実際に体験していただき、どのような魅力があるのかを発見し全国、いえいえ、全世界に小坂ワインを紹介出来る手助けをしてくれる方をお待ちしております。
「明治の芝居小屋 康楽館」の館長もされている高橋様はコロナ禍になってからの経営の苦しさ・小坂ワインへの熱い想いをツッコミなんてさせないくらいの勢いでお話しくださいました。普段なら一般の人が立ち入れない「楽屋」や「奈落」と言われる舞台下など様々な場所へご案内していただきました。
「全国の方に見てもらえるなら」という事で館長権限で実際の舞台演目まで撮影可能に!
音楽は今流行りの曲を使っており、演者さんも観客席に降りてきてサービスしてくれたりと
最初から最後まで見てみたいっと思わせてくれるような舞台でした。
ワイン醸造場やブドウ畑もご紹介していただき、海外でのブドウの育て方と秋田でのブドウの育て方の違い、試行錯誤してようやく形となった経緯など細かくご説明くださいました。小坂ワインはお肉よりもお魚に合うように作られています。お料理を楽しむためのワイン。マリアージュ、体験してみたいです!
小坂鉱山事務所やカトリック幼稚園、明治時代を彷彿させる街並みや貴重な建物は是非、その目で皆様に見ていただきたい風景です。
小坂町の名物「カツラーメン」もご賞味あれ!
ボリュームが凄い!
大館市|むりん庵
今年法人化を予定している「むりん庵」代表 中沢雄大様(写真右)
大館市観光交流スポーツ部移住交流課交流企画係 高松方純様(写真左)
大館市の関係人口のテーマは「廃校を活用した地域活性化」
・廃校活用したいけどもどういった事ができるのか、またそのPR活動
ということで今年の関係人口にエントリーしてくださいました。
大館市大葛(おおくぞ)地区にある廃校になった小学校を利用し地域の活性化を目指しています。廃校になってからまだ上手に活用出来ていないということから地元の風景にあった校舎の魅力、郊外でアクセスが大変だけど、そんな場所だからこそ出来る何かがある!という事でそのアイディア出しやSNSによる発信の仕方に関係してくれる方をお待ちしております!
廃校となってしまった大葛小学校には天文台があるんです!校舎自体も古い訳ではなく、まだまだ使えそうなくらいとても良い状態です。こちらを利用し星空観測のイベントも既に始めています!相模女子大学の井坂聡先生と学生の皆さんも大葛に注目し、ここでのイベント開催に協力してくれています。
星空の撮影にも行きましたが本当に凄かった!この感動は言葉では伝えられないので、是非現地に来ていただいて見てもらいたい!
とにかく明るくて陽気でお話上手な中沢さんは一級建築士でもあり「一口サイズのおにぎり専門店 むりん庵」の店主でもあります。商店街の中にある「ハチ公小路」の一角に店舗がありますので中沢さんに会ってみたい方は是非店舗にも足をお運びください。人柄の惚れちゃうこと間違いなしです!
大館と言えば秋田犬や比内地鶏と有名なものはたくさんあります。
むちっとした弾力のある比内地鶏の親子丼もお勧めです!
能代市|梅内聚落
能代市二ツ井地区にある梅内聚落の皆様。
能代市の関係人口のテーマは「梅内里山暮らし応援団」
・たくさんの課題がある中でも頑張っている人がいる、地域がある事を知って欲しい
・木工品や山菜の販売、民泊による誘客などの里山の仕事応援を手伝って欲しい
ということで今年の関係人口にエントリーしてくださいました。
人口396名の小さな集落で、65歳以上が54%、高齢化が進んでいます。
そんな理由で元気がない!?いえいえ、そんな事は全くありません!!
梅内聚落の皆様はパワフルでとっても元気な方たちばかり。
我々取材陣の方が年齢的には若いハズなのに圧倒されてばかりでした。
梅内聚落は人口は少ないものの、周りには杉の木が豊富にあり木を資源にしてきた聚落です。元々都市部の方を対象にチェンソーの操作講習や薪割り体験などのツアーを実施するなど既に様々なイベントを実施してきています。
男性を中心に「二ツ井 宝の森林(やま)プロジェクト」を結成し、樹木を伐採した後、建築用材などに利用出来ない部分が通常林地に放置される残材を有効活用、地域通貨を発行し地域の活性化に尽力しております。
山の手入れをすると、山菜の生育がとても良い!という事で今度は女性を中心に「梅内山菜クラブ」を結成し山の恵みを参加者に丁寧に説明しつつ、取り方から処理の仕方まで教えてくれる山菜ツアーを実施するなど男性も女性も梅内聚落で出来る事を考え、行動していました。都市部にも山菜を出荷しているんですよ!!
そんな梅内聚落で取れる山菜を調理してくれた料理を取材陣もご馳走になりました。
調理する人によって山菜の食感が全然違う…茹でててもこんなにシャキシャキするんだ…
っと衝撃なくらい美味しい!!
「持って帰って~」と言っていただいたのに、次の日も取材だったこともあり泣く泣く断念。
もっと食べたかったです…。
八郎潟町|プロジェクト8(エイト)
八郎潟町を盛り上げたいという思いから結成された「プロジェクト8」の皆様。
能代市の関係人口のテーマは「地域活性化・小さな町で楽しく暮らす」
・特産品の開発のやyoutubeチャンネルの登録者数が伸び悩んでいること
・地元のお祭りでのマンパワー
ということで今年の関係人口にエントリーしてくださいました。
商店街が閉まっていているお店が多く町民の「若手で町を盛り上げたい気持ち」と行政の「若手に何かして欲しい」という気持ちが合致し2011年に8名で結成。2021年現在は30名と大所帯に!しかし、それぞれが自分の仕事をしつつプロジェクト8としての活動をしているため、イベント会議への集まりも良くなくアイディアもマンネリ化しつつあり打開策を提案、若者が生き生きと暮らしている楽しい町であるということをアピール出来る手助けをしてくれる方を求めております!
毎年9月に行われている「一夜市(いちやいち)」というお祭りをプロジェクト8が中心となりアイディア出しから設営、当日の進行など全て自分達の手で行っています。youtubeチャンネルもあり撮影・編集も自分達で!
町内にある飲食店ではそのyoutube動画が流れており、地域住民の方にも周知してもらえることが増え応援してくれる人も多くなったそう。
プロジェクト8に入りませんか?と声をかけられても頑なに断っていたというお話しも赤裸々にされていて隣に代表がいるのに大丈夫…?と思いましたがそれを笑って受け止めているところを見て、とても絆が深い団体なんだなと感じ取れました。
八郎潟町の名物といえば「畠栄のあんごま餅」
こちらは秋田県内の人なら誰もが知っている有名菓子です!
柔らかいお餅の上にあまぁいあんこ、更にその上にこれでもかというほどたっぷりのゴマ!
全国発送もしていますが、八郎潟町で食べるからこそより美味しいのです!
仙北市|仙北市農山村体験推進協議会
教育旅行や国際交流団体の受け入れなどの地域限定の旅行業を行っている「仙北市農山村体験推進協議会」の皆様。
(左から)
仙北市観光文化スポーツ部文化創造課 課長 平岡太一様
(一社)仙北市農山村体験推進協議会 事務局長 伊藤カオリ様
仙北市総務部企画政策課企画政策係長 草皆晃様
仙北市教育委員会生涯学習課社会教育主事 三浦洋平様
仙北市の関係人口のテーマは「家族留学」
・人口減少。高齢化の進行により担い手不足や活力の低下が課題
ということで今年の関係人口にエントリーしてくださいました。
「あきた芸術劇場わらび座」が40年以上前に都会の学生さんを農家体験で受け入れたことから始まったグリーンツーリズム、その歴史はとても長いものとなっております。その時から仙北市では農家民宿として宿を提供しており、提供している農家さんも「自分のところは20年以上になる」など歴史がある分、高齢化も進んできております。その為、担い手不足を懸念しており今回”家族留学”という形で大人にも子供にも田舎で生活する事を楽しんでもらいたい、都市部に戻っても「また行きたい」と思ってもらえるようにプログラムを組んでおります。
農家民宿の取材も動画ではほんの少ししか紹介できませんでしたが、民宿のお母さんがとっても話し上手!今まで泊まっていった子供たちのお話や、にんにくの収穫体験のお話などを聞いていたら、もう1時間半も経っていました。伊藤さんがインタビュー中に「農家民宿に泊まった子供が、帰りには民宿のお母さんと別れるのが寂しくて泣いてしまう。」と言っていた理由が、お母さんの取材を通して分かった気がしました。
現地プログラムは大人は秘湯で都会の喧騒を忘れ、ほっと一息。子供たちはその間にスキーをしたり仙北市に拠点を置く劇団わらび座さんによる演劇体験をして、普段の生活ではできないような貴重な体験をしてもらおう!と企画を進めているそうです。大人だけではなく、子供もぜひ仙北市のファンになってほしい。実際に生徒たちを先生の立場で指導してきた三浦さんにとっては子供の体験部分は力が入るところのようでした。インタビュー当初は皆さんとても緊張されていましたが、話を進めていくにつれ、皆さんの情熱が話の節々に表れていました。
仙北市は観光名所で有名なところばかりですが「山のはちみつ屋」のソフトクリームも有名です。8面サイコロを振って見事に8を当てると「みつばち(チョコ)の大群ソフト」になるのです!残念ながら取材メンバーは8は当てられず…本物の蜂の大群は嫌ですがチョコ蜂の大群、拝みたかった…。
事前カメラ講習会
実際に撮影に赴く前に、各カメラ機材についての操作方法を社内で確認し合いました。
プロデュース・プロで使用しているカメラはSONY α7ⅢとSONY NX80。
今回初めて取材に加わるスタッフもいたためカメラのみならずピンマイクやLEDライトなど
細かい機材までしっかりとチェック。
カメラ講習会についての詳しい記事はこちらになっております。
合わせてご覧ください。
5日間に渡っての撮影
エントリーしていただいた5団体、北は小坂町から南は仙北市まで秋田県を横断する広範囲での取材・撮影となりました。
団体への取材は1時間程、残りは各地域の有名スポットや我々取材陣がここはどうしても撮影しておきたい場所へ繰り出したのでした。
この取材の目的は「どんな人に来てもらって課題を解決したいかを伝えるため」です。
その為に地域の素晴らしさはもちろんのこと、課題となっている「本当はマイナスなイメージに繋がってしまう」ということも赤裸々にお話しいただきました。
マイナスなことも多々あるけれど、それでもここが好き
長く住んできたこの町を盛り上げたい!
こんな取り組みをしているから県外の人に是非体験してもらいたい!
ここを好きになってもらっていつでも帰ってきてもらいたい!
取材を通していく中で皆様の熱い想いを感じ取ることができました。
制作した5団体の紹介映像とオンライン大交流会当日の映像は
【あきたびじょんチャンネル】にて公開中です。
是非ご覧ください。